『タクシー業界は商機
こうした需要に、タクシー業界も商機を見いだしている』
上記は、先週取り上げて頂いた朝日新聞の特集記事の「子育てタクシー」に関する一文です。
うーーーーん。
間違ってはいません。
でも、こういった見出しでまとめられると、私は「NO」と言わざるを得ません。
子育てタクシーは、新しい顧客層の開拓もやっています。それは嘘ではありません。
でも、それだけではないし、そこに焦点を当てて事業を推進しているわけではありません。
平成18年に運行を開始した、弊社を始めとする諫早の子育てタクシー。
確かに、商機もあるかも…と思っていたあの頃。
でも、現実は、そう甘くはありませんでした。
全国子育てタクシー協会の会員さんの中には、サービスを始めてみたものの、思うように需要が伸びず、結局このサービスから撤退された事業者さんもいらっしゃいます。
それは、個々の会社の経営理念もあるでしょうから、私がとやかく言う事ではないのだと思っています。
でも、今現在、この子育てタクシーサービス事業を、辛抱強く継続してくれているタクシー事業者さんは、「商機」よりも「思い」を持ってやってくれている事業者さんがほとんどなんです。
タクシーだからできる安心安全な育児支援移送。
タクシーが少しでも子育て家庭のお役に立てるのなら…という思いで、この事業を推進しています。
ただ、時には、その地域で1社しか子育てタクシー運行会社がなく、全域をカバーできなくて、時間がかかったり場合によってはお断りをしている時もあります。
「思い」を持って、「使命感」を持ってこの事業を提供していますが、やはり大幅に赤字になったり、逆に利用者の方にご迷惑をお掛けするような場合は、申し訳ありませんがご依頼をお断りしています。
だからこそ、こういった事例を多く作らないためにも、できるだけ多くの地域のタクシー事業者がこの事業に取り組んでくれるよう、協会としても積極的にアプローチしているところです。
来月、4年ぶりに諫早の地で「子育てタクシードライバー養成講座」を開催致します。
4年前とは、養成講座のカリキュラムも進化し、より現場に即した内容になっているので、今回の養成講座は今まで以上に地元とのネットワークを築いていきたいと思い、各方面でご活躍のスペシャリストにお声掛けをし、協力を要請しました。
この4年間で「商機」をガッツリつかんだ感は、残念ながらありません。
それでも頑張って継続しているのは、利用してくれる子どもたちの笑顔と子育て家庭の方々の「ありがとう」の声があるからです。
そんな私達の地道な歩みを、今回の養成講座で協力を要請した各方面の方々は評価し、ネットワーク構築に快諾を頂いたのだと思います。
ある方が「継続してほしいから採算をとれるようにしていきましょう」と言ってくれました。
正直、嬉しかったです。
辛抱強く大切に育て、継続してきたことで、ようやく「商機」が巡ってきたのかもしれません。
冒頭の新聞記事を、私なりに修正させて頂くと、
「商機を見いだしてこの事業に取り組んだら、継続はできなかった。思いを持って辛抱強く継続し、取り組む事で商機がめぐってくる事を期待したい」
って感じかなぁー。
いろんな人がいて、いろんな見方があり、それはそれで間違ってはいないのだけど、やはり、この事業を推し進める会の長としては、みんなの「思い」を背負っているので、ここできちんと記しておきたくて書かせて頂きました。